「トラブルこそチャンス」お客様をファンに変える、IBSトップセールスの信頼構築の流儀

大学では応用生物化学を専攻し、パン工場の夜勤に明け暮れた6年間。遠回りの末にたどり着いた営業の世界で、ダブルスコアのトップセールスを走り続けている男がいる。
橘 京佑(たちばな きょうすけ)。
彼の顧客には、かつて大クレームで解約に至った会社が含まれている。
そのお客様が、今ではすべてのICT機器を任せてくれている。
「トラブルこそチャンス」── その言葉の裏にある、10年の営業哲学とは。
橘 京佑(入社11年目)
東日本ソリューショングループ第四セールスチーム
課長

目次
理系出身、パン工場の夜勤から営業の世界へ
イノナビ編集部:
橘さんは、今年で11年目なんですね。
橘:
そうですね。2016年1月入社です。前職を12月28日までやって、1月5日からここに来ました。有給もなかったので、休みは一週間だけでした(笑)
イノナビ編集部:
新卒のときは、何をされていたんですか? 確か、理系のご出身ですよね。
橘:
大学では応用生物化学科で、4年間ずっと「物質合成」に明け暮れていました。はじめは製薬会社に行きたかったんですけど、博士号まで取らないと難しくて、断念しました 。 それで、フジパングループに本社採用で入ったんですが、配属は工場の製造現場。そこから「いつか営業に行けるから」と言われ続けながら、気がついたら夜勤も含めて現場で5年経っていました。
イノナビ編集部:
えっ、5年も!? それはなかなか…。
橘:
給料は良かったんですけど、「このままだと工場で働き続けることになるな」と。それでようやく営業職としてベンチャー企業に転職したんですが…。社内で会話するのが禁止で、隣にいる人ともSkypeでやり取りしなきゃいけないような環境で。
イノナビ編集部:
Skypeで会話!? コミュニケーションが難しそうですね。
橘:
その空気も合わなかったし、何より営業職で入ったのに結局、営業事務に回されて。3ヶ月で見切りをつけて、IBS(当時はGBS)の面接を受けました。ちなみにその面接、志望動機なんて一切聞かれなかったんですよ(笑)

イノナビ編集部:
え、何を聞かれたんですか?
橘:
「青森出身なんだって? うちの会社40年以経つけど、青森出身は初めてだよ。ねぶた祭りってすごいよな!」と。お互い、ねぶたの熱さを語り合って終わりました。その後、採用通知が来たんです。
イノナビ編集部:
…ちなみに、なぜ営業をやりたかったんですか?営業職は嫌だと言う人も、いると思うんですけど。
橘:
僕、昔からそうなんですけど、上にアピールするのが好きじゃないんですよ。いわゆる社内政治みたいなものも下手だし。思ったこと言っちゃうんですよね。でも、営業って数字が全てじゃないですか。
イノナビ編集部:
確かに。
橘:
だったら営業の方がいいなと。ちゃんとやっていれば、数字として評価される。僕の中では、「やったかやっていないかは、数字が全てじゃん」というのはあって。これは常々、言っているんですけど。
「自分が客なら、買うか?」その一線だけは譲らない
イノナビ編集部:
IBSに入社して、待望の営業職。実際にやってみて、どうでした?
橘:
上長の方は優しい方も多かったし、人がすごく良かったから苦労したという感じではないですね。
イノナビ編集部:
IBSでは11年と、長く続いてますよね。
橘:
そうですね。メンバーに救われました。その年は入社人数が結構多くて、僕を含めて20人くらい。結構、みんな歳も近くて。
でも、最初はやっぱり商材の勉強が大変でした。ミスして人に怒られるのも、誰かに聞いて間違った案内をするのも嫌で。だったら、自分で全部答えられるようになればいいと思って、猛勉強しました。
イノナビ編集部:
最初に契約が取れた時のことって、覚えていますか?
橘:
覚えてます。入社2ヶ月後に、新規が2台立て続けに売れて。2社とも、今もまだうちのコピー機が入っているんですよ。1社に関しては、今では5台ぐらい入ってて。
イノナビ編集部:
すごい…!
橘:
その頃はまだ、アパートみたいなところでやっていた会社さんで、たまたま僕が電話で営業した先でした。「いろんな会社から見積もりをもらってるから、FAXで送って」と言われたんです。僕は、「FAXで送るんじゃなくて、玄関で5分でいいから伺いたいです」と言って、訪問したんです。それが、担当者に刺さったみたいで。
「他の会社はFAXで見積もりを送ってきたけど、橘は食い下がって来てくれて、顔覚えちゃうと、やっぱりなー」と言ってくれて。今も、結構仲良くさせてもらっています。

イノナビ編集部:
すごい…!橘さんの提案は、お客様によって全然違うと聞きましたが…。
橘:
人の考え方って、千差万別じゃないですか。だから、寄り添いというか、どう思ってるかな?というのは、常に考えるようにしています。お客様とのやり取りの中に「片鱗」があるんですよ。「明細が欲しい」という一言や、文章だけでは伝わりにくいな、という空気感。それを拾って、ネットワークの図解を作ったり、あえて金額だけをサッと見せたり、相手に合わせて変えています。
イノナビ編集部:
その「相手に寄り添う」感覚は、どこで養われたんでしょう?
橘:
僕は「会話する」ことが営業だと思っているので。回数よりも、一回の密度。身につけているものや持っているものを見たり、雑談をして相手の人物像を探る。そうやって深く入り込んでいくと、商談の最中に「売れるビジョン」が見える瞬間があるんです。
イノナビ編集部:
「売れるビジョン」ですか?
橘:
「もし、自分がお客さんの立場だったら、これなら買うな」という確信です。お客さんの性格とか、上の方との関係性とか会社状況等を色々考慮した上で、この提案だったら話しやすいだろうなとか、これだったら買うだろうなというのしか、僕は提案しないんで。
逆に、会社から売れと言われても「僕が担当者なら買わない」というものは提案できないですよね。数撃って当てるのではなく、お客様にとってメリットのある提案しかしない。それがお客様の「無駄な提案をしてこない」という信頼に繋がるのかもしれません。
地獄の「赤字トラブル」から、数千万円の案件に至る信頼の構築
イノナビ編集部:
橘さんの伝説的な営業話の一つに、”クレームになって解約されたところを復活させて、さらに、複合機だけじゃなく、他の機器とかネットワークまで全部担当するところまで行った、という案件があった”と伺ったんですけど。
橘:
その時、過去にお付き合いのあった会社さんに向けて電話営業をしていたんですよね。コピー機って、一度入れたらすぐ入れ替えるものでもないし、逆に数年経ったらリース契約のタイミングとか新機種が出るタイミングなんかもあるので、追いかけが大事で。
イノナビ編集部:
そちらは、前の担当の方の時にはクレームになって解約されちゃったんですよね。そこから、「すべてIBSに」なんていう関係ができちゃうのは、一体なぜなんだろうって。
橘:
タイミングもあったと思うんです。その時契約していた会社さんに不満がなければ、会ってもらえなかっただろうし。何かしら不満があるか、よほど時間があるかの二択なので。会えるということは、チャンスは確かにあるかなと。
イノナビ編集部:
うーん、なるほど。これまでお仕事してきて、きつかったなあというトラブルは何かありますか?
橘:
一番やばかったのは、テレアポからの新規で、ワンルームマンションに構えていたオフィスから4階建てのビルに引っ越すという会社さんですね。コピー機を入れる条件として、全フロアでネットを使える環境にしてくださいということで、今ある機器をそのまま使うという要望で進めたんですけど、すっごいトラブっちゃって、関係性はどん底でしたね。
元々、ワンルームのオフィスだったので、AP(アクセスポイント)が一個しかなかったんですけど、4階建ての4フロアになるわけで。僕の方で各フロアに設置するAPはお客様側でご用意いただけるものと勘違いしてしまっていて….。
イノナビ編集部:
そ、それは…、どうにかなったんですか?
橘:
ならなかったです。結局、どうにもならなくて、その当時の二人の部長と、あ、一人は椿部長※なんですけど(笑)一緒に謝りに行って…。足りない分のAPを出したりしたので、結局、大赤字でした。
※編集部注:椿部長は「営業マン心の叫び 第3回」に登場

イノナビ編集部:
おお…。ちなみに、そのお客様とは今もお取引があるんですか?
橘:
今は、めちゃくちゃ仲がいいです。
イノナビ編集部:
え、そうなんですか!?どん底だったのに、なぜ…。
橘:
嫌われすぎて、一回、「電話機についてお前とは交渉したくないから、業者さんと直接やり取りするから」と言われました。でも、嫌われていようとなんだろうと、年末のご挨拶とか行ったりしていたら、何か一番仲良くなっちゃって。そこの会社さんは、今は支店が二つぐらいできていて、全部うちで入れてくれてるんです。
イノナビ編集部:
どうしてそこまでリカバリーできたんでしょう!何を評価してくれてるんですかね?
橘:
めげなかったから。実は、結構厳しい会社さんみたいで、「他の業者さんもめっちゃ怒られてるんですよ」なんて社員さんに言われたんですよね。
イノナビ編集部:
でも、橘さんはめげなかった?
橘:
担当を変われとは言われてなかったから、ずっと担当し続けたし、諦めなければいけると思っていました。
イノナビ編集部:
今、橘さん、結構大きい案件をやっているとお聞きしました。
橘:
そこも実は、めちゃくちゃ怒られたところなんです。オフィスの電灯をLEDに交換することになったんですけど、当日物が届いたら、寸法が合ってなくて。しかも、そこが理事長室で。メーカーの担当の女性もいらしてたんですけど、怒られて泣いてしまって。「お前が一番悪いから」って、僕が一番怒られましたけど。
でも、そちらも最終的には「ああいう時に、嫌な顔せずにちゃんとやってくれた」と言ってくれて。今回は内装工事も含めて何千万にもなる案件なんですけど、「お前の成績になるなら全部やってくれ」と、任せてくださったんです。
イノナビ編集部:
ものすごく怒られた会社さんでも、そんなふうにおっしゃっていただけることがあるんですね!
橘:
トラブった時は、逆にチャンスかもしれない。トラブル時の対応と、その後の連絡をどうするか次第、その人次第だと思うんですよ。トラブルが起きた時でも、お客様が完全に悪いというケースはまずありません。私自身も見落としていた部分があったと感じ、互いにとってより良い方向に進められるよう、丁寧な姿勢で対応するようにしています。

8年かかって辿り着いた「運を自分のものにする」努力の仕方
イノナビ編集部:
トップセールスの理由は、自分ではなんだと思われますか?
橘:
運が良かったんですよ。でも、“運も実力のうち”って言いますからね。運を自分で掴み取れる確率を上げるのは、結局はその人の努力次第なんです。紹介が多い人は、ご成約いただいたあとのフォローとか、まめに顔を出すとか、陰で地道なことを必ずやっています。理不尽なことがあっても絶対に顔に出さず、笑い飛ばす。そういう人のところに運は巡ってくるんだと思っています。
イノナビ編集部:
昔から、今のような考え方だったんですか?
橘:
いえ、昔は「売ったら売りっぱなし」の時期もありました。でも、数字にこだわりつつも、結局、お客さんを大切にすれば、数字もついてくるというか。…今月も僕、結構ご紹介の案件があって。
イノナビ編集部:
お客様が紹介してくれるんですね!
橘:
先月も、転職された先でまた声をかけてくれた方がいたり。やっぱり、人との繋がりが大事です。縁を切らない方が、長い目で見た時に繋がっていくのかなって。
イノナビ編集部:
何年目くらいにその境地に達しましたか?
橘:
8年かな。結構、かかりましたね(笑)
でも、いろんなトラブルを経験して、結局はお客さんを一番に考えて、長い目で縁を繋いでいくのが一番の近道だと気づいたんです。
イノナビ編集部:
これからの橘さんは、どこを目指していくんでしょうか?
橘:
今は自分の数字だけではなく、現場の意見がもっと通る会社にしたいという思いがあります。曖昧な評価制度とか、インセンティブがほとんどないとか、それって逆に言えば、頑張った人と頑張ってない人が一緒になっちゃうと思うんですよね。
そのためには、自分自身がもっと上のポストに行って、発言力を持たなきゃいけない。営業のみんなが前向きな気持ちで働けて、会社の売上アップにもつながるような、自然と頑張れる環境をつくっていきたいと思っています。
イノナビ編集部:
最後に、橘さんのパワーの源を教えてください。
橘:
やっぱり2歳の子供ですかね。めちゃくちゃ可愛いです。家族のために稼ぎたいという思いは、26歳で結婚したときから、ずっと根底にあります。でも、今はこの会社で、自分がどこまで成長し、どこまで上を目指せるのか。その可能性に対する強い好奇心が、私の原動力になっています。
「運も努力のうち」と、橘は言う。
8年かけて辿り着いた境地は、「お客さんを大切にすれば、数字もついてくる」という、真っ当なもの。
そして今、橘は、個人の成果から組織の未来へと視座を移している。
IBSトップセールス・橘 京佑の営業哲学は、これからも進化し続ける。