ファイル探しを秒速に!エクスプローラーの達人ワザ【週刊ICT活用講座 Vol.3】

こんなお悩み、ありませんか?
- 「先月A社に送った見積書…どこに保存したかな?」と、フォルダを一つひとつ開いて探し、気づけば5分以上経ってしまった…。
- ファイル名はおおよそ分かるものの、本当に探しているファイルか確信が持てず、いくつものファイルをいちいち開いては閉じ、を繰り返している。
- 特定のフォルダ内にファイルが多すぎて、スクロールするのが大変。目的のファイルがなかなか見つからない。
もし、一つでも当てはまるなら、それは、日々の業務において大きな時間的損失を生んでいるかもしれません。
そのお悩み、実は、PCの基本機能である「エクスプローラー」の表示方法と検索テクニックを少し磨くだけで、劇的に改善します!
PC内のファイルやフォルダを管理する「エクスプローラー」は、単なるファイルの入れ物ではありません。
いわば、PC内にある膨大な情報の「図書館」です。
この図書館で、目的の本(ファイル)を瞬時に見つけ出すための、プロの司書のようなテクニックをご紹介します。
やってみよう! その1:表示方法をカスタマイズして「見る」効率を上げる
まずは、ファイルを開かずに「中身を把握する」技術です。
ちょっとした設定変更で、ファイル確認のスピードが格段に向上します。
プレビュー表示で「チラ見」を可能に
エクスプローラー上部の「表示」タブをクリックし、リボンメニューの中から「プレビューウィンドウ」をクリックして有効にしてみてください。
すると、ウィンドウの右側にプレビューエリアが出現します。
ファイルをクリックするだけで、ExcelやWord、PDF、画像ファイルなどの中身がそのエリアに表示されるようになります。
これにより、ファイルを開くという一手間を完全に省略できるため、複数の資料の中から目的のものを探す際の確認作業が、驚くほどスムーズになります。
   
「詳細」表示と「並べ替え」で情報を整理
同じく「表示」タブで、アイコン表示や一覧表示ではなく「詳細」を選びましょう。
ファイル名だけでなく、「更新日時」「種類」「サイズ」といった情報が一覧で表示されます。

この機能の真価は「並べ替え」にあります。
例えば、「更新日時」の項目名をクリックするだけで、ファイルが新しい順・古い順に一瞬で並び変わります。
「昨日使ったあのファイル」といった探し方が、いとも簡単に実現できます。
同様に、「サイズ」をクリックすれば容量の大きいファイルから順に並び替えられるので、PCのストレージ整理にも役立ちます。
【応用】 項目の上で右クリックし「その他」を選ぶと、「作成者」や「タイトル」、「タグ」など、さらに多くの情報を表示・並べ替えの基準にできます。
自分が管理しやすい項目を追加して、オリジナルの表示形式にカスタマイズしてみましょう。

やってみよう! その2:検索機能を使いこなし「探す」を極める
エクスプローラーの右上にある検索ボックスは、単にファイル名を入力するだけの場所ではありません。
「検索演算子」と呼ばれる特別なキーワードを組み合わせることで、検索精度を飛躍的に高めることができます。
種類で絞り込む: 種類:pptx または kind:picture
「A社」というキーワードで検索すると、WordもExcelもPDFも、関連するファイルが全てヒットしてしまい、かえって探すのに手間がかかることがあります。
そこで、A社 種類:Excel のように入力してみてください。
すると、「A社」という名前が含まれるExcelファイルだけに、検索結果を絞り込めます。
「プレゼン資料を探したい」なら 種類:pptx、「画像を探したい」なら kind:picture と入力するだけです。
更新日時で絞り込む: 更新日時:今週 または datemodified:2025/06/01..2025/06/30
「いつ使ったか」という記憶は、ファイルを探す上で強力なヒントになります。
検索ボックスに 更新日時: と入力し、続けて 今週 昨日 先月 といった言葉を入力するだけで、期間を限定した検索が可能です。
また、datemodified:2025/06/01..2025/06/30 のように、2つの日付を .. で繋げば、特定の期間を指定した範囲検索もできます。
「先週のどこかで使ったはず…」という曖昧な記憶でも、確実に見つけ出せます。

ワイルドカード * を使う: ファイル名の一部しか思い出せない時に
ファイル名がうろ覚えの時に絶大な効果を発揮するのが、ワイルドカード(*)です。
* は「任意の文字列」を意味します。
例えば、*報告書.docx と検索すれば、「〇〇プロジェクト報告書.docx」や「営業部週次報告書.docx」など、末尾が「報告書.docx」であるファイルが全てヒットします。
ファイルの命名規則が、ある程度決まっている場合に特に有効です。

いかがでしたでしょうか。
こちらの記事でご紹介したプレビュー機能や詳細表示での並べ替え、そして検索演算子を組み合わせた絞り込み検索は、どれも一度覚えてしまえば、これからのPC業務でずっと役立つ強力なスキルです。
まずはプレビュー表示を常に有効にして、ファイルを開かずに中身を確認する習慣をつけてみてください。
そして、ファイルを探す際には、キーワードだけでなく「種類」や「更新日時」を組み合わせて絞り込むことを試してみてください。
日々の小さな時間短縮の積み重ねが、大きな業務効率の改善に繋がります。
【担当者より】データの「置き場所」そのものも効率化しませんか?
個人のPCスキル向上はもちろん重要ですが、チーム全体でファイル管理の効率を上げることも忘れてはならない視点です。
ファイルサーバーやNAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ)を導入すれば、全員が常に最新のファイルにアクセスできる環境を構築でき、チーム全体から「ファイル探しの時間」を削減できます。
属人化しがちなファイル管理から脱却し、組織としての生産性を向上させましょう。
また、そもそもPCの動作が遅ければ、どんなテクニックも効果は半減してしまいます。
特に、高速なファイル検索には、PCのストレージが従来のHDDではなく、高速なSSD(Solid State Drive)であることが不可欠です。
PCの根本的な速度アップについても、ぜひお気軽にご相談ください。
 
         
     
 
 
