次世代の長距離Wi-Fi「SAWWAVE」とは？特徴から導入事例まで徹底解説

SAWWAVEとは？

「広い敷地をカバーするために、Wi-Fiのアクセスポイントを何台も設置している」

「工場や倉庫で、他の機器との電波干渉で通信が不安定になる」

「建設現場やイベント会場など、一時的に広範囲なWi-Fi環境を構築したい」

このような、従来のWi-Fiが抱える「距離」と「安定性」の課題。

これらの問題を一挙に解決するソリューションとして注目されているのが、長距離・広域Wi-Fi「SAWWAVE」です。

本記事では、SAWWAVEが持つ圧倒的な性能の秘密から、具体的な製品ラインナップ、そしてStarlinkと組み合わせた活用法まで、その全貌を徹底的に解説します。

SAWWAVEとは？

SAWWAVEは、韓国のSAWWAVE社が開発した、独自の無線伝送技術を特徴とするWi-Fiアクセスポイントです。

従来のWi-Fiが苦手としていた「長距離」の通信と、電波の「反射」に強いという特性を持ち、これまで通信環境の構築が難しかったエリアにも、安定した高速通信を届けることを可能にします。

Wi-Fi AP	Wi-Fi バックホール

なぜSAWWAVEは、これほどまでに高性能なのでしょうか。その理由は、大きく分けて3つの特徴にあります。

SAWWAVEの最大の特徴は、その圧倒的な通信距離です。

一般的なアクセスポイントのカバー範囲が数十メートル程度であるのに対し、SAWWAVEの屋外用アクセスポイント「AP-2244-X-JP」は、1台で最大500mもの広範囲をカバーします。

また、2点間を専用で結ぶPTP（Point-to-Point）タイプでは、最大35kmもの長距離伝送が可能です。

これにより、従来は多数のアクセスポイントが必要だった広大な敷地でも、最小限の機器設置で済むため、LAN配線や設置工事のコスト、そして将来の保守費用を大幅に削減できます。

SAWWAVEは、1つのアクセスポイントに対して最大1,024台のデバイスを同時に接続することが可能です。

この多接続性能により、観光地やイベント会場でのFree Wi-Fi提供や、多数のセンサーやデバイスが稼働するスマート工場（IoT）といった、接続数が膨大になる場面でも、安定した通信環境を維持できます。

「多数のWi-Fiが飛び交う場所だと、通信が不安定になる」という経験はありませんか？

SAWWAVEは、特許取得済みの独自技術「SOMPAアンテナ」を搭載することで、この問題を解決します。

SOMPAアンテナは、1つの周波数で複数の電波を相互干渉させずに送り出すことを可能にし、空間のノイズや他のWi-Fi機器とのチャネル干渉を極限まで抑え込みます。

これにより、電波が飛び交う環境でも、途切れることのない安定した通信を実現します。

項目	SOMPA アンテナ	一般アンテナ
電流の流れ	導体板に上下、左右と斜め方向に電極を連結。 3回路構成の場合、各電極間には干渉がなく電流を流すことができるため十分なアイソレーションが得られる。	導体に接続でき電極は1つだけで、電流は導体板の全体に流れる。
伝送原理	一つの周波数に複数の電波を相互干渉がないように配信	一つの周波数に一つの電波だけを配信
Waveタイプ
チャネル干渉		※他の機器やチャネルとの干渉が少ない
主要特性	●高速伝送 ●雑音なしの長距離伝送 ●MIMOテクノロジーの導入による速度の向上	●伝送速度制限 ●伝達距離制限(雑音) ● MIMOなど複数アンテナ技術の導入により克服