“常に見られているかもしれない意識”元アパレル販売員が培った、京都で選ばれる営業の流儀【「営業マン心の叫び」第2回】

入社9年目の大塚 智之(おおつか ともゆき)。
アパレル販売員から営業へ転身し、「昔からのつながりを大事にする」京都エリアで新規開拓を成功させた。
「常に見られている」という意識、「相手のペースに合わせる」営業スタイル。
そして、「子どもに胸を張れる親でいたい」という想い。
京都営業所の立ち上げから担当し、来年1月には課長代理への昇格が決まっている大塚が語る、仕事への向き合い方とは。
大塚 智之(入社9年目)
西日本第一ソリューショングループ 第一セールスチーム 京都営業所
2026年1月より課長代理就任予定
目次
これまでに5社を経験、アパレルから営業へ転身した理由
イノナビ編集部:
IBSのメディア「イノナビ」で社員インタビュー記事の第1回目が出たんですけど、ご覧になりました?
大塚:
はい。八十島さんは一回だけ会ったことがあって、音楽をやられていたというのはちょっと聞いていたんですけど、村上さんとは会ったことがなくて。卓球やってたんやとか、過去を知れたりするのは面白いなと思いましたね。
イノナビ編集部:
会社の規模が大きくなってくると、同じ会社のメンバー同士でも知らないことって、意外とありますよね。
大塚:
そうですね。物理的に会えないですからね。
イノナビ編集部:
大塚さんの所属されている西日本の大阪オフィスでは、サービスの方も営業の方も一緒の場所にいると伺ったんですけど。
大塚:
はい。関西のサービス全員ではないんですけど、一部一緒にいます。僕は、京都オフィスに勤めているので、大阪にも用事があって来ることはありますが、基本は京都にいますね。
イノナビ編集部:
基本的なことからお聞きしたいんですけど、大塚さんがIBSに入社したのはいつ頃ですか?
大塚:
2016年の12月ですね。満9年なので、10年目に突入という形です。
イノナビ編集部:
入社前は、どんな会社で働かれていたんですか?
大塚:
その前は京都の会社で、それも営業なんですけど業界は違っていて。出版社の社内に手帳や文具雑貨のブランドがありまして、そこでルート営業をしていました。
イノナビ編集部:
IBSで5社目とお聞きしましたが、ずっと営業のお仕事をされていたんですか?
大塚:
いや、元々は接客をやってました。アパレルの販売員ですね。

イノナビ編集部:
えー!
大塚:
今は前髪ないですけど(笑)学校を卒業して、アパレルの仕事からスタートしたんです。最初は、単純に家から近かったから。そこから、この仕事をもっと知りたいといった感じでアパレルにハマっていって。結局、アパレル業界で3社に勤めました。実は、最初の会社はユニクロで…。
イノナビ編集部:
それって、ユニクロさんが大きくなっていく最中、といった感じだったんじゃないですか?
大塚:
そうですね。僕が入った時はフリースがものすごく売れた直後ぐらいで、店舗がいっぱい増えていくみたいな感じでしたね。
イノナビ編集部:
色とりどりのフリース、覚えています!
大塚:
アパレルの3社目が京都で、ちょっと色々挫折もあり…。結婚もそのタイミングで、ちょっと違うことしようかなと思って。違う業界で、いわゆる土日休みみたいな一般の企業で働いてみようかなと。でも、一般企業に入りたいと思って転職したものの、結構大変な職務環境で…。ちょっと失敗したかなと思ったんです。もう年齢も年齢だったのもあって、次は相当慎重に選ばないとなと思っていたんです。
当時は、GBSという社名だったんですが、募集要項に「設立からずっと黒字経営」とか、「離職率が何%」とか書いてあって…。自分がまさに追い詰められていたゾーンがポジティブな感じで書かれていたので、惹かれて。
イノナビ編集部:
ちなみに、その大変だった会社は、どれくらい続けられたんですか?
大塚:
2年半ぐらいですかね。
イノナビ編集部:
結構、頑張りましたね…!
大塚:
結構頑張りましたよね。担当エリアが、北海道と沖縄担当だったんですよ。
イノナビ編集部:
真逆ですね。
大塚:
地名だけ聞くと、羨ましそうに見えるかもしれないですけど、もうずーっと移動。ずーっと車に乗ってましたね。商談をサッとして、あとはずっと車に乗って移動みたいな。朝7時くらいにホテルを出て、ひどい時はホテルに戻るのが翌朝2時とかでした。
イノナビ編集部:
それは大変…!次は失敗したくない、長く続けたいと思いますよね。
大塚:
はい、それが32歳ぐらいの時です。今度こそ、という思いで当時のGBSの面接に行きました。面接では結構シンプルなことしか聞かれなかったイメージですけど、帰り際に「入社していただいて結構なのですが、どうですか?」みたいに言ってもらって。一応、他も受けていたので、ちょっと待っていただいて。でも、妻もいたし、安心させたいという思いもあって、もう決めちゃおう!と思いまして。
イノナビ編集部:
入社してみて、実際どうでしたか?
大塚:
えー、難しい質問ですね(笑)まあ、僕は前職もアパレルもなかなか激しいところだったので、それを考えたら、もう全然。カレンダー通り休めますし、販売職をしていた頃に比べたら、休みが倍ぐらいになったんちゃいますかね。その時間を家族に使えるようになりましたね。精神的にも充実していて、良い状況かなと思いますね。

イノナビ編集部:
これまでに、辞めたいと思ったことってあります?
大塚:
今のところないですかね。営業なので、やっぱり成績が良くなくてちょっと落ち込んだりはしますから、ゼロではないですけど。でも、それは自分の問題で、会社理由では今のところはないです。
イノナビ編集部:
職場環境が良いとおっしゃっていましたけど、どういうところが良いとお感じになっていますか?
大塚:
人間関係ですかね、ありがたいことに。もう全然、僕は何のストレスもないので。誰でも相談に乗ってくださいますし、なんでも言いやすい環境でありがたいなと思っていますけどね。
“見られているかもしれない”アパレルで培った営業スタイル
イノナビ編集部:
大塚さんは、入社されてからずっと同じ部署ですか?
大塚:
ずっと同じ部署ですね。担当エリアが京都に変わったりはしています。
イノナビ編集部:
京都担当にはいつ頃なられたんですか?
大塚:
2023年ですね。京都に住んでいたので、京都に営業所ができればいいなとは思っていました。きっかけになったのは、会社がコーユーレンティアのグループに入ることになり、そちらに京都営業所があったので、そこに営業所を置かせてもらう形で、まぁこじんまりとスタートして。いずれは、IBS単体で営業所を持てるくらいに拡大していければなという流れでやっていますね。
イノナビ編集部:
大塚さんは、京都営業所の立ち上げからやられているんですね。
大塚:
そうですね。
イノナビ編集部:
お聞きしたところによると、来年1月からは大塚さんが課長代理になられて、京都のリーダーになると…。
大塚:
はい。京都営業所の立ち上げの時、チームリーダーが「長くはこのポジションにとどまらないつもりだ」ということはおっしゃっていて。立ち上げメンバーの中から引き継ぐことになるんだろうけれど、その選定の基準としてはやっぱり、京都におけるエリアの拡大なんですよね。まぁ、そこである程度それができたというか。
イノナビ編集部:
簡単におっしゃいますけど、エリアの拡大って…一朝一夕でできるものではないですよね。
大塚:
なんて言うんでしょうね、狙ってできるものではないので、「こうやってできた」という明確な答えがないといえばないんですけど。
気をつけたということでいうと、そもそも複合機を変える気がないようなお客様に関しては、そこまで深く話さずにというか、しつこく言うのも良くないというか、むしろマイナスになると思うので。それなので、ご興味がある方を探していったというイメージでしょうかね。
ちょっと話を聞いてみたいなと思ってもらった時、一番大事にしていたのは、電話でああだこうだと喋るんじゃなくて、実際に顔を合わせるということですね。
イノナビ編集部:
なるほど。押しつけの営業はしない、そして、電話で済ませず、実際に会いに行くと。
大塚:
直接お話しして、話している時にしっかりとお客様の心というか気持ちをつかむという意識をして営業をしてましたね。話し方であったりとか、中でも気にしていたのは、相手のペースに合わせるというところですかね。
京都という土地では、特に効果的なのかなと思っていますけど。昔からのつながりを大切にする土地ですし、地場の事務機器を取り扱う会社さんもいらっしゃいますからね、そういったところとは戦わないというか。その中で、興味を持っていただけそうなところに伺って、気に入られるじゃないですけど、しっかりお話を聞かせてもらって、見積もりを出させてもらってみたいな感じですかね。
イノナビ編集部:
お約束が取れたお客様のところに伺う時は、何か準備されるんですか?
大塚:
もちろん、ホームページをはじめ会社の情報は見させてもらいますし、その業界に対しての話題とかは、何を話そうかとを考えて訪問しますね。例えば、京都なので旅館やホテルに行ったりするんですけど、観光客やインバウンド系のお話とかは、業界的に敏感になられると思うので、情報を仕入れたり考えて行ったりしますね。
イノナビ編集部:
いろんな方がいらっしゃると思うんですけど、どうやって相手の傾向とか性格とかをつかんでいらっしゃるんですか?何かコツとかあるんですか?
大塚:
もともと販売員だったので、その辺はその時代に出来上がったところがあるのでしょうかね。基本的なことですけど、お客様がおっしゃったことを否定しないとか、変に専門用語を出さないでお客様が使ったフレーズはそのまま使うみたいな感じで。相手が気持ちよく喋れるようにというのをちょっと意識して営業している感じですかね。新規営業は特に。

イノナビ編集部:
お客様は、どういった点で大塚さんやIBSを選んでくださっているなと感じますか?
大塚:
うちの会社って、ネームバリューというのはほぼゼロだと思うんですよ。ご存じなくて当たり前というか。それなので、良くも悪くも電話した者なり、訪問した者が会社のイメージを作ってしまうと思うので、まずは自分自身を信用いただいて、会社を信用いただく。そこはやっぱり意識してやって、そこから価格勝負であったりとか、メンテナンスの対応がどうとかという話になると思うんですけど。
極端、コストが全部他の会社さんがと同じだった場合にも、自分を選んでもらう、IBSを選んでもらうというところを意識してやってはいましたね。
イノナビ編集部:
新規のご契約をいただくというのはなかなか難しくて、やっぱりリプレイスが主になりがちな中、大塚さんが京都エリアで一気に新規獲得をされたということを耳にしたので、どのようにされたのかを少しお聞きできたら…。
大塚:
それぞれの会社様でちょっとずつやり方は違うんですけど。組織が大きい会社様の場合は特に、自分だけで行くというよりは上司に同行してもらったりとか、場合によってはサービスマンに同行してもらったりとか、いろんな面で信頼してもらえるようなやり方はしましたし、意識はしましたね。
一番はコストの差だったとは思うんですけどね。同じ金額だったとしたら、やっぱり最後は信頼の差になりますから。それはもう最初から、そうなっても選んでもらえるようにというイメージでやっていましたね。
そういう意味で、はじめから自分だけではなく周りを巻き込むことで、僕だけで伝えられない、答えられない内容までアドバイスができるようにしていましたね。そういう中で、お客様に何かあってもこれぐらいの対応をしてくれるだろうなみたいな、そういう安心感を与えるというのは意識して商談を進めました。
イノナビ編集部:
なぜ、そこまでやり続けられるんでしょうね。
大塚:
うーん、続けられているのかわからないですけど…。やっぱり、販売員の時の経験がすごく大きくて、常に見られている職業だったので。お店に入られる方もですし、何ならお店の外からも見られることもあります。いつ、どこで見られているかわからない、なんなら、プライベートで歩いてる時にお客様に見られるかもしれない。実際に、お見かけしましたと言われることもありましたから。
だから、例えば所作であったりとか、挨拶の仕方であったりとか、常に見られている意識はしていたんですよね。それなので、相手の会社を訪問したら、帰る時はその会社が見えなくなるまで、意識をする。一緒のチームのメンバーにも言っているんですけど、「窓から見られているかもしれない」と思えと。
イノナビ編集部:
すごい。
大塚:
やらないとは思いますけど、何か物を捨ててしまったりとか、唾を吐いたりとか、そんなことをやっていると絶対に決まらないと思うんです。見られていようが見られていまいが、建物から出て、敷地を出る時は一礼するとか。そういうところまで意識はしていますね。
“子どもに胸を張れる親でいたい”家族がモチベーション
イノナビ編集部:
こうしてお話ししていても、見た目も含めて大塚さんって、清潔感のかたまりなんですよね。
大塚:
ありがとうございます(笑)
イノナビ編集部:
いやいやいや。多分、日頃からすごく意識されているのではないかと。大塚さんの仕事へのモチベーションって、どこから来るんですか?
大塚:
改めて聞かれると悩みますけど…、家族のためももちろんあるし、あとはまあ、出世ですかね。一番は。
イノナビ編集部:
なんと明確な…!
大塚:
これは兄の受け売りなんですけども、兄が言っていて、自分もそうなりたいなと思ったのが、子どもに恥をかかさないというか、子どもに胸を張れる親でいるということで。子どもがどういう人生を歩むかとか、どういう友達とどういう会話をしているのかはわからないですけど、自分のせいで嫌な思いをしないようにしたいというところはあって。そういう意味でも、出世だったり、昇格や昇給等々をモチベーションというか、頑張ろうと思うところですね。
イノナビ編集部:
お子さんがいらっしゃるんですね。
大塚:
小学校の子が3人いて、下の子は双子なんです。
イノナビ編集部:
双子…!お子さんたちはきっと見ていくんでしょうね、大塚さんの背中を。
大塚:
良くも悪くもですね。
イノナビ編集部:
大塚さんはそんなにぐいぐいお話しするタイプではないと伺っていましたが、キャリアのスタートはアパレルだったということで、接客業をされていたんだなと知れましたし、おしゃれな理由もわかりました。やっぱり、お洋服を選ぶのは好きなんですか?
大塚:
洋服は好きですね。あとはアートも興味があって、最近、家族で直島に行ったりしました。
イノナビ編集部:
いいですね!お子さんのお洋服は、誰が選ぶんですか?
大塚:
僕か嫁か、どっちかですかね。奥さんが、実は…お客さんだったんですよ。
イノナビ編集部:
え?アパレルのときの?
大塚:
それなので、その辺は信頼されているというか、「選んで」と言われたりします。
イノナビ編集部:
きっと、丁寧な接客をされていたんでしょうね。だから結婚まで…。
大塚:
なんでこうなったんでしょうね。本当にわからないですけど。
イノナビ編集部:
今、大塚さんが目指す人とか、この人いいなとか思う方っていらっしゃいますか?
大塚:
兄貴ですね。学年で言えば2つ離れた兄なんですけど。うちの父がもともと病気があって、一緒にやれることも少なかったりしたので、兄は、きっとそういうところも意識して僕らに接してくれていたので、まあ父親代わりとまではいかないですけど、それに近いものがあったので。兄のことは、考え方とか含めて尊敬していますね。

京都オフィスを拡大し、みんなが満足できる会社へ
イノナビ編集部:
大塚さんは、後進の指導なんかもされているんですか?
大塚:
そうですね。うちの営業はチーム体制なんです。一応、今チームの中では二番手というかたちで仕事させてもらっていて。
イノナビ編集部:
なるほど。そういった中で、先ほどの心構えみたいな部分も伝えていらっしゃるんですね。大塚さんの、今後の目標とかがもしあったら教えてください。
大塚:
まず、京都オフィスを拡大したいというところですね。IBSで独立したオフィスを持てるように。
イノナビ編集部:
リーダーとして、まずはそこをと。ちなみに、IBSをこんな会社にしたいなみたいな思いとかありますか?
大塚:
今は、すごく風通しはいいと思うので…、やっぱり待遇とかも含めてみんなが満足できるレベルの会社になれればな、と思いますね。
イノナビ編集部:
ちなみに、「もっとうちの会社、こうだったらいいのにな」と思うところはあったりしますか?
大塚:
まあ、まだこれからだと思いますけど、給与面であったりとかですかね(笑)逆にいうと、それぐらいしかないかもしれません。
「常に見られているかもしれない」という意識を持ち、敷地を出るまで気を抜かず一礼する大塚。
アパレル販売員時代に培った「見られている」意識が、今の営業スタイルの土台になっている。
京都という、つながりを大事にする土地で選ばれる理由。
それは、価格でもサービスでもなく、まず「自分を信用してもらうこと」。
子供に胸を張れる親でいたい――。
その想いが、大塚を突き動かしている。
次回の「心の叫び」も、お楽しみに!